[2014年7月30日更新]
最近のパソコンは、モニタ出力のために必ずしもグラフィックカードを必要とはしていませんが、3Dゲームなどの高い画像処理能力を要求された場合に、グラフィックカードを取り付ける必要があります。
今回は、そんなグラフィックカードの実力を新旧取り混ぜて、ベンチマークテストで検証してみました。
グラフィックカードの役割や選び方に関しては、教えて!FRONTIER第1〜3回に掲載しています。
[第1回] グラフィックカードってどんな役割をするの?
[第2回] グラフィックカードの選び方を伝授!(スペック表の見方)
[第3回] グラフィックカードの選び方を伝授!(ベンチマークの重要性)
今回テストするグラフィックカードは、最新のGeForce® GTX700シリーズから「750」「760」「770」「780」がエントリー。中でも「GeForce® GTX750」はNVIDIA最新GPU「Maxwell」コアを採用し、ワットパフォーマンスNo.1といわれています。また、今回唯一のGeForce® GTシリーズの「GT740」も参加しています。先代のGeForce® GTX600シリーズからは「650」「660」「670」「680」のエントリーです。最新のGeForce® GTX700シリーズでも採用されているGPUコア「Kepler」シリーズを最初に採用したモデルです。今回のテスト最古参はGeForce® GTX500シリーズから「560」「580」のエントリー。プロセスライン40nmを採用した「Fermi」コアは先代GeForce® GTX400シリーズの発展型ですが、最新コアのシリーズにどこまで迫れるのでしょうか。
■検証ビデオカード一覧
※横にスクロールができます。
製品名 | コア | プロセス(nm) | シェーダ数 | コアロック(MHz) | メモリ容量(MB) | メモリクロック(MHz) | メモリパス幅(bit) | DirectX対応 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GeForce® GTX780 | GK110 | 28 | 2304 | 863-900 | 3072 | 6008 | 384 | 11.2 |
GeForce® GTX770 | GK104 | 28 | 1536 | 1046-1085 | 4096 | 7010 | 256 | 11.2 |
GeForce® GTX760 | GK104 | 28 | 1152 | 980-1033 | 4096 | 6008 | 256 | 11.2 |
GeForce® GTX750 | GK107 | 28 | 512 | 1020-1085 | 1024 | 5008 | 128 | 11.2 |
GeForce® GT740 | GK107 | 28 | 384 | 993 | 1024 | 5008 | 128 | 11.1 |
GeForce® GTX680 | GK104 | 28 | 1536 | 1006 | 2048 | 6008 | 256 | 11.1 |
GeForce® GTX670 | GK104 | 28 | 1344 | 915 | 2048 | 6008 | 256 | 11.1 |
GeForce® GTX660 | GK106 | 28 | 960 | 980 | 2048 | 6008 | 192 | 11.1 |
GeForce® GTX650 | GK107 | 28 | 384 | 1058 | 1024 | 5008 | 128 | 11.1 |
GeForce® GTX580 | GK110 | 40 | 512 | 772 | 1536 | 4008 | 384 | 11 |
GeForce® GTX560 | GK114 | 40 | 336 | 810-950 | 1024 | 4004-4488 | 256 | 11 |
■検証環境
検証環境に関しては、X79チップセット(Socket2011)にCore i7-4930K (Ivy Bridge-E)を選択しました。
「Quad Channel」メモリによる最速のメモリ環境とPCI Express Gen3.0対応によるグラフィックカードとの高速通信に対応。
※グラフィックドライバーは最新のNVIDIAドライバーver337.88を使用
CPU | インテル® Core™ i7-4930K(3.40GHz) | メモリ | 32GB DDR3-SDRAM PC12800(8GB×4枚) |
---|---|---|---|
チップセット | インテル® X79チップセット | SSD | 250GB S-ATA3 |
電源 | 850W ATX (80Plus Silver) | OS | Windows® 7 Professional 64bit版 [正規版] Service Pack 1 (SP1) 適用済み) |
ファンタシースターオンライン2 ベンチマークテスト テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | テクスチャ解像度 | DirectX | 画面サイズ | シェーダ品質 |
---|---|---|---|---|
高解像度フルスクリーンモード | 高解像度 | 9 | FullHD (1920×1080) | 標準 |
テスト結果 | |
GeForce® GTX780 | 49301 |
---|---|
GeForce® GTX770 | 40060 |
GeForce® GTX760 | 25490 |
GeForce® GTX750 | 12486 |
GeForce® GT740 | 3815 |
GeForce® GTX680 | 36896 |
GeForce® GTX670 | 31272 |
GeForce® GTX660 | 19544 |
GeForce® GTX650 | 4322 |
GeForce® GTX580 | 32914 |
GeForce® GTX560 | 12972 |

モンスターハンターフロンティア 大討伐 ベンチマークテスト テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | DirectX | 画面サイズ | シェーダ品質 |
---|---|---|---|
フルスクリーンモード | 9 | FullHD (1920×1080) | 標準 |
テスト結果 | |
GeForce® GTX780 | 24231 |
---|---|
GeForce® GTX770 | 20717 |
GeForce® GTX760 | 15610 |
GeForce® GTX750 | 8807 |
GeForce® GT740 | 5206 |
GeForce® GTX680 | 19078 |
GeForce® GTX670 | 17037 |
GeForce® GTX660 | 12984 |
GeForce® GTX650 | 5511 |
GeForce® GTX580 | 14674 |
GeForce® GTX560 | 8975 |

ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ベンチマークテスト テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | DirectX | 画面サイズ | グラフィック設定 |
---|---|---|---|
フルスクリーンモード | 9 | FullHD (1920×1080) | 最高品質 |
テスト結果 | |
GeForce® GTX780 | 13207 |
---|---|
GeForce® GTX770 | 11766 |
GeForce® GTX760 | 9437 |
GeForce® GTX750 | 5808 |
GeForce® GT740 | 3527 |
GeForce® GTX680 | 11108 |
GeForce® GTX670 | 10207 |
GeForce® GTX660 | 8043 |
GeForce® GTX650 | 3725 |
GeForce® GTX580 | 9341 |
GeForce® GTX560 | 5869 |

Heaven Benchmark 2.5 テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | DirectX | 画面サイズ |
---|---|---|
フルスクリーンモード | 11 | FullHD (1920×1080) |
テスト結果 | |
GeForce® GTX780 | 2940 |
---|---|
GeForce® GTX770 | 2221 |
GeForce® GTX760 | 1681 |
GeForce® GTX750 | 1096 |
GeForce® GT740 | 613 |
GeForce® GTX680 | 2141 |
GeForce® GTX670 | 1834 |
GeForce® GTX660 | 1416 |
GeForce® GTX650 | 644 |
GeForce® GTX580 | 1513 |
GeForce® GTX560 | 923 |

GeForce®GTX560/GTX580
今回のテストに参加した中では最古参のGeForce® GTX500シリーズの2枚です。
発表から4年(2010/11/9発表)近くが経過しているため、絶対的な能力に関しては後継のGeForce® GTX600シリーズやGeForce® GTX700シリーズにかないませんが、その能力は高く、まだまだ現役といえます。
しかし、DirectX11のテスト結果では他のシリーズに比べるとあまり伸びていません。
今後増えると思われるDirectX11対応のゲームなどでは、力不足を感じることがあるかもしれません。

GeForce®GTX650/GTX660/GTX670/GTX680
GeForce® GTX600シリーズは、最新のGeForce® GTX700シリーズにも搭載されているGPUコア「Kepler」シリーズを最初に採用したモデルです。
GeForce® GTX500シリーズに比べて、製造プロセスの微細化(40nm→28nm)による省電力化と低発熱化を実現し、パフォーマンスの大幅アップも実現しています。
消費電力の少なさから、旧世代のビデオカードからのアップグレード用としての人気も高く、今後増えると思われるDirectX11対応のゲームなどでもその能力を発揮してくれるでしょう。

GeForce®GT740/GTX750/GTX760/GTX770/GTX780
NVIDIA最新のビデオカードがGeForce® GTX700シリーズです。
GeForce® GTX600シリーズで採用されたGPUコア「Kepler」を改良・発展させ、現状最高の能力をもったシリーズになります。
中でもGeForce® GTX780の能力が高く、全てのベンチマークで最高のスコアを出しています。また「DirectX11」の検証では他のグラフィックカードに比べて、スコアが大きく伸びています。
今後増えると思われる「DirectX11」対応のゲームなどでも、その能力を存分に発揮してくれるでしょう。

今回は、ビデオカードの3Dグラフィックスの処理能力を各種ベンチマークソフトで検証しました。
そのテスト結果から、GeForce® GTX500シリーズ→600シリーズ→700シリーズと世代が新しくなるたびに、1.2〜1.3倍くらい能力が向上していることがお分かりいただけるかと思います。
※最新のGeForce® GTX780と2世代前のGeForce® GTX580を比べた場合、1.5〜2倍近い能力差が確認できています。
最新の3Dゲームの中にはDirectX11をサポートし、グラフィックカードに高い処理能力を求めているものも少なくありません。
そういった重量級のゲームを快適にプレイしたい方には、GeForce® GTX780の搭載をお勧めします。
GeForce® GTX780までは必要ないという方でもGeForce® GTX760 / GeForce® GTX770を選択いただければ、快適にプレイすることができます。
将来、アップグレードしたいと考えている方には、必要十分な能力を持つGeForce® GTX750がお勧めです。
グラフィックカードはパソコンにとって、とても重要な部品の一つです。後々のことも考えて余裕をもった性能のモデルを選ばれることをお勧めいたします。