インターフェイスの違いを容易に判別するため、M.2では「Key ID」とよばれる識別子を割り当てています。スロット側とカード側双方でこのKey IDが一致していないと使用することができません。 インターフェイス(Key ID)とカードの長さが明示されていますので、スロット側/カード側双方に対応したものを選定する必要があります。 Key IDはA〜Mまで規定されていますが、その多くは今後の拡張のために空いています。
[2014年2月18日更新]
新チップセット「インテル® Z97/H97」にて正式サポートされた「PCI Express M.2」(以下M.2)は、ノートパソコンなどで採用されている「miniPCI Express」の次世代規格となり、NGFF(Next Generation Form Factor)とよばれていたこともある規格です。 サポートするインターフェイスは多岐に渡り、PCI ExpressだけでなくS-ATAやUSB2.0/3.0、DisplayPortなどが策定されています。
M.2モジュールのサイズ
M.2は対応するインターフェイスが多いため、カードの種類・設計が細かく設定されているのが特徴で、モジュールのサイズに関しても規格化されています。
【 M.2モジュール サイズ規格 】
基盤の幅 | 12mm / 16mm / 22mm / 30mm | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基盤の長さ | 16mm / 26mm / 30mm / 38mm / 42mm / 60mm / 80mm / 110mm | ||||||||
基盤の厚さ | タイプID | S1 | S2 | S3 | D1 | D2 | D3 | D4 | D5 |
上面 | 1.20 mm | 1.35 mm | 1.50 mm | 1.20 mm | 1.35 mm | 1.50 mm | 1.50 mm | 1.50 mm | |
底面 | ― | ― | ― | 1.35 mm | 1.35 mm | 1.35 mm | 0.70 mm | 1.50 mm |
インターフェイスの違いを容易に判別する「Key ID」
Key ID | インターフェイス |
---|---|
A | PCIe×2 / USB / I2C / DP×4 |
B | PCIe×2 / SATA / USB / PCM / UIM / SSIC / UART |
E | PCIe×2 / USB / I2C / SDIO / UART / PCM |
M | PCIe×4 / SATA |
マザーボード搭載のM.2スロット
インテル® Z97/H97チップセット搭載マザーボードから採用されているM.2スロットは、主にSSDを接続するインターフェイスとしての利用が考えられます。
現在主流のS-ATA3では、転送速度の理論値6.0Gbps(600MB/s)にSSDの性能が追いつき、今以上の速度向上が難しいといわれています。
M.2スロットでは、PCI Express×4モードまで対応し、転送速度の理論値は最大40Gbps(4.0GB/s)となり、大幅に高速化されます。
ただしPCI Express接続の場合、仕組み的にはATAカードを介して接続することと同じであるため、デバイスによっては「ブートに対応しない」などの制約が生じる場合があり、商品の選定には注意が必要です。
※カード側にBoot ROMが実装されたり、PCI Expressモードの他SATAモードにも対応するよう設計されることが多くなりそうです。
M.2のパフォーマンスをチェック
それでは、新しいインターフェイス「M.2」の実力を実際に見てみたいと思います。 比較対象としてS-ATA3規格のSSDとハードディスクの計測も実施しています。
【 検証環境 】
CPU | インテル® Core™ i7-4790(3.60GHz) | マザーボード | インテル® Z97チップセット |
---|---|---|---|
グラフィックカード | NVIDIA® GeForce GTX760 | メモリ | 16GB DDR3-SDRAM PC12800 (8GB×2枚) |
電源装置 | 850W ATX 80 PLUS Silver | OS | Windows® 8.1 Update 64bit版 |
■M.2 SSD:PLEXTOR PX-G256M6e 256GB M.2 SSD(PCI Express Gen2×2 ) /■SSD:250GB S-ATA3 /■HDD:4.0TB S-ATA3

S-ATA3接続のSSDに比べて、M.2接続のSSDは約30%(Sequential Read)の速度向上が確認されました。
M.2接続SSDの転送速度が、S-ATA3の理論上限値(600MB/s)以上の速度で計測されていることに注目してください。 まさにM.2スロットの本領が発揮されていますね。
ハードディスクの計測結果も合わせて掲載していますが、SSDの高速性は圧倒的です。
M.2 SSDは、新チップセット「インテル® Z97/H97」から採用された新世代の高速インターフェイスです。
今までは、S-ATA3インターフェイスの転送速度の上限で、SSDの今以上の高速化はできないといわれていましたが、M.2インターフェイスの登場により、さらなる高速化が可能となりました。
現状、M.2 SSDの速度は700MB/s前後で、容量は128GB〜512GBが主流ですが、今後さらなる高速化と大容量化が進んでいくものと期待されています。 M.2 SSDを採用してシステムドライブを高速化することにより、パソコンをより快適に利用できますので、システムドライブにM.2 SSDを採用することをお勧めいたします。