[2014年12月5日更新]
NVIDIA Quadroシリーズのグラフィックカードが、プロフェッショナル向けワークステーション用に特別に設計・製造されたことはすでに紹介しましたが、実際にどのくらい優れているのか検証しました。
[第17回]プロフェッショナル・グラフィックス NVIDIA Quadro シリーズMaxwellアーキテクチャGPUを採用した、最新NVIDIA Quadro Kシリーズ登場
最新の「Maxwellアーキテクチャ」GPUを搭載する新世代のプロフェッショナル向けグラフィックスカードです。OpenGL対応アプリケーション向けに最適化されたNVIDIA Quadro Kシリーズは、双方向性を犠牲にすることなく、より複雑なコンテンツを扱うことが可能になり、制作現場において素晴らしいグラフィックスパフォーマンスを発揮します。

「3D CG」や「3D CAD」クリエイターに最適なミドルレジン製品 NVIDIA Quadro K2200
NVIDIA Quadro K2200は、「3D CG」及び「3D CAD」を専門としたクリエイティブユーザーに最適なミドルレンジクラスの製品です。NVIDIA Quadroシリーズは、その安定した設計とアプリケーションソフトウェアとの統合されたドライバにより、余計なシステムクラッシュ等を防ぎ、クリエイティブアプリケーションの安定性をより強固にします。

NVIDIA Quadro シリーズの実力は!!
NVIDIA Quadro K シリーズの実力を確認するため、OpenGL環境のテストだけではなく、DirectX環境でのテストも実施しました。検証では、Quadro K2200 と Quadro K2000、GeForce シリーズのGTX750とGTX650、上位ビデオカードの GeForce GTX760でも検証を実施しました。
<検証環境>
CPU | インテル® Core™ i5-4460 (3.20GHz / 6MB) | メモリ | 16GB DDR3-SDRAM PC12800(8GB×2枚) |
---|---|---|---|
チップセット | インテル® H87チップセット | SSD | 120GB S-ATA3 |
電源装置 | 600W ATX | OS | Windows® 7 Professional 64bit版 |
<仕様一覧>
Quadroシリーズ | GeForceシリーズ | ||||
Quadro K2200 | Quadro K2000 | GeForce GTX760 | GeForce GTX750 | GeForce GTX650 | |
CUDAコアプロセッサ | 640コア | 384コア | 1152コア | 512コア | 384コア |
コアクロック | 非公開 | 980〜1033MHz | 1020〜1085MHz | 1058MHz | |
メモリ | 4GB | 2GB | 2GB | 1GB | 1GB |
メモリインターフェース | 128bit | 128bit | 256bit | 128bit | 128bit |
メモリバンド幅 | 80GB/s | 64GB/s | 192.2GB/s | 80GB/s | 80GB/s |
コアアーキテクチャ | Maxwell | Kepler | Kepler | Maxwell | Kepler |
ドライバの最適化 | クリエイティブ用途 | ゲーム用途 | |||
動作テスト及び認定 | 200を超えるプロフェッショナルアプリケーションにて認定済 | − | |||
アプリケーションの 生産性向上連携機能 | SolidWorks / RealView / AfterEffects のGPUアクセラレーション eDrawings の立体視など多数の機能に対応 | − | |||
ディスプレイ マネジメント | NVIDIA Mosaicが実現する最大4画面のラージデスクトップ機能 30bitカラー出力対応 | 最大4画面によるサラウンドビュー対応 ※対応ゲームにて利用可能 24bitカラー出力対応 |
OpenGL系 ベンチマークテスト編
NVIDIA Quadro シリーズは、OpenGL向けのグラフィックカードですが、NVIDIA GeForce シリーズと比べ実際にどの程度の違いがあるのかをベンチマークテストで計測してみました。
CINEBENCH R15(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | OpenGL |
---|---|
標準 | OpenGL 2.1 |

SPECviewperf 12
ウインドウモード | OpenGL | 画面サイズ |
---|---|---|
ウインドウモード | OpenGL 2.0 | 1900×1060 |
※横にスクロールができます。
グラフィックカード | catia-04 | creo-01 | energy-01 | maya-04 | medical-01 | showcase-01 | snx-02 | sw-03 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Quadro K2200 | 43.55 | 35.74 | 2.64 | 35.83 | 14.53 | 21.00 | 31.55 | 71.74 |
Quadro K2000 | 22.89 | 22.05 | 0.44 | 20.06 | 6.92 | 12.91 | 21.12 | 45.74 |
GeForce GTX760 | 17.37 | 18.97 | 0.79 | 57.27 | 16.39 | 36.41 | 3.17 | 34.06 |
GeForce GTX750 | 16.37 | 11.27 | 0.32 | 13.61 | 9.83 | 19.46 | 2.29 | 23.97 |
GeForce GTX650 | 9.03 | 8.66 | 0.23 | 11.19 | 5.88 | 14.38 | 1.96 | 19.41 |
ファーストスコア セカンドスコア








OpenGL系 検証結果
OpenGL系での検証結果から、最新版のQuadro K2200の能力が非常に高いことが確認でき、多くの検証でGeForce GTX760のスコアを大きく上回っていることが確認できました。 検証内容によってはGeForce GTX760のスコアが伸びることもありますが、一部にとどまっています。 ストレスのない快適な環境を求めるなら、Quadro K2200の採用がお勧めです。 また、従来品であるNVIDIA Quadro K2000のスコアも検証内容によってはGeForce GTX760を超えていますので、作業中の安定性を求めてこちらを採用するのもよいでしょう。 3D CGや3D CADの作成などがメインの方は、NVIDIA Quadro Kシリーズの採用によりストレスなく作業がはかどる環境を手にすることができます。
DirectX 系 ベンチマークテスト編
NVIDIA Quadro Kシリーズが、OpenGL向けのグラフィックカードであることは紹介しましたが、『DirectX環境では使えないのか』という疑問にお答えし、ゲーム系のベンチマークテストでどのくらいのスコアが出るのか検証しました。
ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 vol2.0 テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | テクスチャ解像度 | DirectX | 画面サイズ | シェーダ品質 |
---|---|---|---|---|
高解像度フルスクリーンモード | 高解像度 | ver. 9.0 | フルHD (1920×1080) | 標準 |

モンスターハンターフロンティア大討伐 テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | DirectX | 画面サイズ | グラフィック設定 |
---|---|---|---|
フルスクリーンモード | ver. 9.0 | フルHD (1920×1080) | 最高画質 |

ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ベンチマークキャラクター編 テスト設定(計測結果は5回計測した平均値です。)
ウインドウモード | DirectX | 画面サイズ | グラフィック設定 |
---|---|---|---|
フルスクリーンモード | ver. 9.0 | フルHD (1920×1080) | 標準設定 |

DirectX系 検証結果
検証の結果から、NVIDIA Quadro K2200はGeForce GTX760には及びませんが、GeForce GTX750と同等以上のスコアを計測していますので、DirectX系でも充分快適にゲームをプレイできることが確認できました。 また、NVIDIA Quadro K2000も同クラスのGeForce GTX650と比べ15%ほどスコアは及びませんが、ゲームのグラフィック設定で負荷を軽くしてやれば充分にゲームをプレイすることができます。
NVIDIA Quadro シリーズがサポートする機能
単体での最大4画面出力及びQFHD超高解像度出力に対応
3系統のディスプレイ出力端子を標準で搭載し、1系統のDVIと2系統のDisplayPortを組み合わせた3画面の同時出力が可能です。また最新規格であるDisplayPort 1.2をフルサポートし、最大QHFD(3840×2160px:60Hz)の超高解像度出力に対応。DisplayPort 1.2のマルチストリーム機能によるディスプレイのデイジーチェーン接続にて1ポートから最大4画面の出力に対応します。
30bitカラー出力対応
RGB各色10bit(合計30bit)のカラー出力に対応。約10億6433万色の豊かな発色によりAdobe Photoshop CS6などの対応アプリケーションにおいてリアルで滑らかなグラデーションを実現し、より高いクオリティーのデータ加工・編集が可能になります。
NVIDIA GPU Boost機能を搭載 (NVIDIA Quadro K2200)
GPUの作業負荷を自動的にモニターし、可能な場合は積極的にGPUのクロック速度を加速させます。これにより、常に最高のパフォーマンスを発揮します。
NVIDIA Mosaicテクノロジー対応
NVIDIA Mosaicテクノロジーに対応し、複数画面を1つの広大なデスクトップ画面として扱うことが可能です。また複数枚のQuadro Kシリーズを搭載することにより、最大で8画面を1つのデスクトップ画面のように使用できます。 これらはNVIDIAコントロールパネルから簡単に設定することができ、マルチディスプレイでの使用環境を強力にサポートします。
NVIDIA Quadro Kシリーズはプロフェッショナル向けのワークステーション用に特別に設計・製造されたグラフィックカードです。
OpenGL環境での「3D CG」や「3D CAD」などの作成に向いたグラフィックカードで、ワークステーションなどで長時間安定して動作しますので、設計・製造や映像クリエイターなどプロフェッショナルユーザーだけではなく、個人ユーザーの間でも幅広く利用されています。 そういった状況を後押しするかのように、最近では3Dプリンターが国内でも10万円を切る価格で多くの機種が販売されていますし、3Dデータを取り込むための 3Dスキャナーも販売されています。
3Dスキャナーで取り込んだデータをパソコンで加工し、3Dプリンターで出力することも可能となり、スムーズな作業のためにパソコン自体の3D処理能力も高いものが求められています。
NVIDIA Quadroシリーズのグラフィックカードを搭載したパソコンであれば、3D CGや3D CADの作業がよりスムーズに作業が進みます。
今後、多くの場面で3Dデータを利用する機会が増えてくると思われ、そのような状況では3Dデータの作成・加工をより効率よく処理できる環境が要望されます。NVIDIA Quadro Kシリーズは、そのような要望に沿った環境を提供してくれるグラフィックカードです。 3Dデータの作成・加工に高い効果を得ることができますので、快適に長く利用いただくためにもNVIDIA Quadro Kシリーズの導入をお勧めいたします。